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My Best ALBUM 2012(洋楽編) 4位~1位レビュー
2013-05-05 Sun 23:00
My Best ALBUM 2012(洋楽編) レビュー



一気に終わらせます!!!!!!!





 4位 Frank Ocean - channel ORANGE

 近年の米ヒップホップ界を震撼させ続けるアーティスト集団/ヒップホップ・クルーのOFWGKTA、その中にR&B系シンガーとして加入していたFrank Oceanは、2009年に名門レーベルDef Jamと契約し、2010年の入団前よりメジャーな世界でソングライティングに関わっていたという。2011年に無料ミックステープ『nostalgia, ULTRA 』は発売してまもなくから大絶賛され、その後にはBeyonceやJay-Z & Kanye Westのコラボ作に続けて参加し、一気に知名度が上がりデビュー作を期待されるようになった。
 そして去年2012年、メジャーデビュー作『Channel Orange』 が満を持して発表された。と同時に、フランクの口から衝撃的カミングアウトが発せられる。
 「これはアルバム・クレジットの謝辞の欄に入れる予定だったものだが、色々と噂が出回っているようだから……これではっきりするかと思う。過去に男性に恋をしたことがある。
と堂々とゲイである(いや待ったこの場合は だった が正しいのか?)と告白したのだ。これは男尊女卑のミソジニーや同性愛嫌悪のホモフィビアな社会として成り立っているヒップホップやR&Bといった世界では、異例中の異例な出来事だと特筆しておきたい出来事だ。
 気になる今作の内容は、R&Bやソウルに影響を受けたスローテンポなバラッド=Slow Jamに昨今流行りのチルウェイブが混ざりあった、減滅したリズム感とソフトで柔らかな音色に包まれ、それは定石にとらわれないR&Bとして衒いなく提示しつつ、Drakeを通過した後に広がったスマートさと、おまけに「ジャンルを超えた云々」という大文字を感じさせない、マニアックなひけらかしを感じさせないサウンド。それが今作の魅力であろう。
 シングル曲「Thinkin Bout You」や9分という大曲「Pyramids」はまさにその通りと言った楽曲で、彼の代名詞とも言えよう楽曲だ。だが、グルーヴィなベースラインとエレピがキラキラと光る「Sweet Life」や、壮大なゴスペルを思わせる「Bad Religion」などがあり、一辺倒にならないソング・ライティングセンスとアレンジ能力も見せてくれる。 
 先に僕はSlow Jamといったが、この手のジャンルは「なにもそこまでロマンチックにせんでも」と思ってしまうものが多い。しかしそこはフランク・オーシャン、片想いや性についてがテーマになった歌詞には、経済危機だったり本物の誠実さだったり市民戦争だったりとディープな視点が入って、広くとられた視座を持ったスタンスがうかがい知れるし、時たまに「彼」と愛する人を呼ぶように自分を隠さない姿勢もあってか、他の歌い手とはやはり違った位置にいるように思える。
 だがもっとも特筆するべきは、彼の歌声と歌唱法だろう。
 その柔らかくも繊細さのある歌声だけでも他のR&B歌手とはすこし違った趣があるのだが、加えてファルセットとコーラスを多重かつ綿密に重ね合わせることで、彼にしかないスウィートなヴァイヴが浮いて聴こえてくる。抑揚を大きくつけた芝居がかったゴスペル的なよくある歌い方ではなく、マーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイのようにしっとりと歌い上げる歌唱法をとっていることで、歌声が良く映え、歌詞やサウンドともかなりマッチしていて心地よく聴ける。
 自らのスキャンダルを、このクオリティで打ちかえしてしまうFrank Ocean。もしかしたらこの時代だからこそ聴ける1枚、なのかもしれない。











 3位 How to Dress Well - Total Loss

 ブルックリンとケルンとベルリンを拠点にしながら活動しているトム・クレルのソロ・プロジェクトである。ブログにあげたフリー音源から話題が進み、Neon Indianが所属したLEFSE RECORDからデビューアルバム『Love Remains』をリリース、後にBalam AcabやoOoOOなどのリリースで有名なTRI-ANGLEからもリリースされ、より大きな注目を浴びるようになった。
 例えばFrank Oceanの「Channel ORANGE」はチルウェイブR&BやアンビエントR&Bといった趣だが、彼は前作『Love Remains』で既にそれをこなしている。その段階を踏んで生み出した今作『Total Loss』は、ドローン・ミュージックのベッタリと塗りつけるようなエコーとリバーブサウンドはより深くなり、トムの歌声は遠くへと響くように、同時に遠くから響くようにと、エコーをかけたり定位を調整したボーカルサウンドに仕上がっている。
 同時にリズム・セクションは平坦かつ後ろにひっこんでるように作られているせいで、リスナーの平衡感覚がどんどん消失していくようなサウンド・スケープが生み出され、美しくも深淵な世界を構築している1作になっている。
 昨日、彼の2度目となる来日公演を見てきたが、その時はラップトップから流されるバックサウンドではなく、自分自身の歌声を存分に示したライブだった。立て続けに高音が並ぶ楽曲が多いので、不安定に揺れるボーカルのピッチにどこか不安な顔で見てしまう人も多かったし、ノーマルのマイクとエコー用のマイク2つを駆使して表現しようと必死なトムの姿には、 CDをライブで完璧に再現しようと急いているようにも見えたのも確か。だがその熱量の高さや再現されたサウンドの大きさ、そこに最後は圧倒されてしまった。これでまだ2枚のアルバムしか作っていないのかと思えば、これから先にとても期待がもてるミュ-ジシャンだと、僕は思うのだが。










 2位∆ (alt-J) - An Awesome Wave

 2007年に結成されたイギリス・リーズ出身の4人組ロック・バンド∆ (alt-J)。アート系の大学に進んだものの、大学後半2年間に学業そっちのけでひたすら曲作りとライブに明け暮れ、2012年にデビュー作『An Awesome Wave』をリリース。多数のフェスに参加し、徐々に評価を高めてはいたが、英国で最も栄誉ある音楽賞「マーキュリー・プライズ」を受賞し、ノリにノッている若手バンドとして今年のSummer Sonic2013にも来日することになっている。
 BurialなどのダブステップやUKベース・ミュージック、CanやNeuiなどのクラウトロックやミニマル系のサウンド、アンビエントのようなキーボード、それらがぐっと詰まった音楽。レディオヘッドやアトム・フォー・ピースのようなアンビエント性は彼らにはない、代わりにボーカルの歌い口はフォーク・シンガーのそれであり、彼らの奏でる音とともに聴き手に寄り添っているような、摩訶不思議なサウンドが今作には封じられている。
 何より今作で驚かされるのは、この多彩なジャンルをまったく目立たせることなく刺繍して仕上げる、彼らだけの音楽として昇華するセンスに他ならない。彼らを称するときによく使われる『フォーク・ステップ』というムチャクチャな造語は、手軽にオルタナティブだとかアート・ポップだとか、そんな言葉では伝えきれないセンスの高さを逆説的に教えてくれる。イギリスのポップ・ミュージック系のタイトルでも、マーキュリー・プライズはセールス面での評価よりも、アート性や音楽性の高さを基準に選ばれる傾向が強いのだが、なるほど、これならマーキュリー・プライズ受賞も納得がいく。
 加えてだが。An Awesome Waveのアルバムタイトルとアートワークはこちらから取られている。→→ http://www.esa.int/Our_Activities/Observing_the_Earth/Highlights/An_awesome_wave
 ESAこと欧州宇宙機関から取られた宇宙から見た地球、その中からガンジスのデルタ地帯を選んだのは、バンド名の∆ということにあやかってのことだそうで、歌詞も宇宙的なモチーフを取り上げていて面白い。
 宇宙とか好きなアート系・文系な人間の中で、大学2年間を音楽だけに専念してしまうくらいに音楽が好きで、しかもここまで多様に音楽を聴きつつそうと感じさせないセンスの高さ。独自かつ特別なサウンドを得るということ、それはミュージシャンとして最高の栄誉であろうと僕は思う、彼らはその栄誉を得るのに最も才能を秘めた若手ロックバンドであろう。












1位 Cloud Nothings - Attack On Memory


ブログ参照 →→ Cloud Nothings 『Attack on Memory』 無邪気な邪鬼
ぶち抜けたこのロックサウンドは、まったく2012年らしくないからこそ、これからもずっと聴かれ続けるであろう可能性を携えた1枚だと思う。










洋楽編、しゅーりょー!!






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My Best ALBUM 2012(洋楽編) 7位~5位レビュー
2013-05-05 Sun 22:00
My Best ALBUM 2012(洋楽編) 7位~5位をいかせてもらいますー







7位 Mumford & Sons - Babel


 まずは、2013年グラミー賞最優秀アルバム賞受賞、おめでとうございます!。
 ノア・アンド・ザ・ホエールやローラ・マーリングらとイギリスの新世代フォーク/カントリー・シーンを担っていた彼らMumford & Sonsが、2009年に前作かつデビュー作の『Sigh No More』でイギリス/ヨーロッパでの大ヒットを飛ばし、以後もアメリカを中心に英語圏でヒットを飛ばし続け、800万枚のセールスを達成したのは知っていた。とはいっても、この手のセールスの話はよくあることで、ポっと出の新人で終わるだろうなと思っていたが、まさかこれほどまでにビッグなバンドになるとは。
 アコースティックギターとアップライト・ベースにキーボード、そこにバンジョーとバスドラムをそれぞれ1つずつ、彼らの音楽にはその5つだけがあればいい、前作同様に今作でもそれは変わらない。4人組バンドである彼らは、マムフォード(ギター・ボーカル)、ベン・ロヴェット(キーボード)、カントリー・ウィンストン・マーシャル(バンジョー)、テッド・ドゥウェイン(ベース)から成っている。先に述べたバスドラムは、ギターボーカルのマムフォードの右足に置かれ、彼はずっと8ビートを蹴り続ける。マムフォードの心の移ろいやテンションが、声に、ギターに、そしてリズムに、それぞれ伝播していく。
 同時代的にいえば、アメリカの若手フォーク/カントリーバンドにFleet Foxesというバンドがいるが、あちらが優しく重ねられたコーラスとリーダーのロビン・ペックノードの素朴で力強い歌声、綿密に計算された曲構成や芸術性に熱を込めていくバンドだとすれば、こちらはツーステップ/ラインダンスの分かりやすいリズムに熱を込め、そのために組み上げられたシンプルな曲構成の1音1音から漂うのは、半端じゃないほどの熱量。そしてその音が重なってできるサウンド・スケープの厚みは、とても4人組バンドとは思えないほどに巨大かつ温かみがある。
 音のヌケが良い颯爽な雰囲気やしなやかさだったり、そのような定型的なカントリー・バンドとは一線を画す、パンクバンドのような迸った汗の匂いをどこか感じるカントリー・ミュージック、僕は素晴らしいと思う。











 6位 Mateo Stoneman - Mi Linda Havana


 元々音楽の仕事をしていたアメリカ人SSWのマテオ・ストーンマンは、1997年に録音機材横領の罪で刑務所に服役、その時にふとしたことで知ったキューバに興味をいだき、名作映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を見たことでキューバに心酔するようになる。
 そこから独学でスペイン語を学び、キューバ音楽のコードを身につけ、刑務所内の人に聴かせにいったというエピソードからは、彼のキューバへの愛情の深さと共に、SSWとしての才能の高さを窺い知れると僕は思う。その後、彼の胸を打った張本人たちである「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のメンバー達を交えて吹き込んだ2004年のデビュー作『マテオ』を上梓、その完成度の高さから高評価を得ることに。
 今作はマテオ含めてレコーディングには4人の名前がクレジットされており、前作同様にエグレム・スタジオ、ここは前述した映画の舞台にもなっていてもいて、マテオ本人の言葉によれば他のスタジオを使用したことがないとのこと。楽器からマイクを離したオフマイクのセッティングと古い録音機材で録られたレコーディング作業は、彼が敬愛する古きキューバ音楽と同様のアナログ・サウンドの質感を生み出し、まろやかな音色に包まれたサウンドも相まった濃厚なノスタリズムは、オールディーズな雰囲気を再現している。アルバム中心となるのは彼自身作曲作品で、アントニオ・カルロス・ジョピンの「Eu Se Que Voce Amar」とアントニオ・メンデスの「La Gloria eres Tu」をカバー曲も含め、そのほとんどが英語でなくスペイン語で歌われているが、彼の柔らかくとろけるような歌い口からはちょっとらしからぬほどにムーディな印象が強い。
 キューバにへの憧憬が炸裂するアメリカ人シンガー、マテオ・ストーンマンのセカンドアルバム 『マイ・ビューティフル・ハバナ』、「僕の美しきハバナ」というムーディな雰囲気、僕は好きです。いやはやしかし、ドストレートに名前を付けたもんだ、好きすぎるでしょうマテオさん。


ってもこの人、動画サイトにほぼないに等しいんですよね、音源とか。
なのでストーンマンが歌いつつ紹介される動画をいくつか。













 5位 Of Monsters And Men - My Head Is An Animal


 Björk、Sigur Rósといった偉大なるミュージシャンを生んだアイスランドの首都レイキャビク。そんな名所にて結成され、 2010年当国で行われたコンペティションに優勝した勢いそのままに、昨年デビュー作にして米ビルボード6位や英ヒットチャート3位にチャートイン、世界的にも大きなチャートアクションを見せた大ブレイク中の6人組バンドがOf Monsters And Menだ。
 カントリーやフォークの流れを組みつつ、ピアニカ・グロッケン・アコーディオン・トランペットなどまるで楽団めいた楽器で細かい音を飾り付けながら、男女混成のボーカルとコーラスやそのサウンドから感じられる雰囲気は、どこかクールな知性ばかりが注目されていたUSインディーとは一線を画し、無邪気さにあふれている。
 同時に、偉大な先輩たちのようなファンタジーめいた世界観はを既に見せ始めてもいるのがこのバンドの末恐ろしさだと思う。彼らのような壮大さはないが、童話のようなニュアンスを節々に感じ、それが無邪気さと繋がって小庭で愉快に遊ぶ子供たちの絵が見えてくる。明るく/活発で/朗々と、それが近年のイギリスのマムフォードが汗臭く、アイスランドの彼らは無邪気で、同じ音楽をベースにしつつこうも違うものになる辺りに音楽の深さとコントラストが映えてくる1作でもあろうか。








残りも少なくなってきましたが、長い文章よんでくれてありがとうです!

ではでは

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MyBest Album 2012(洋楽編) 15位~11位レビュー
2013-05-04 Sat 22:00
はい、続きです



 15位 A Tribe Called Red - A Tribe Called Red

 2008年にDJ NDN とBear Witnessが出会い結成し、2010年には本国であるカナダのDMC チャンピオンに2度輝いたDJ Shubが加わり、現在3人体制で活動しているDJグループ。それがA Tribe Called Redである。
 「誰も聴いたことのない音楽で踊らせる」
 明確な目的を持った彼らは北部アメリカインディアンの伝統的踊りである「Pow wow」に目をつけ、エレクトロやダブステップなどのベース・ミュージック、ヒップホップを独自にミックスし、名付けて「Pow wow step」と称するスタイルを確立した。
 クラブ・ミュージックとしての機能がPow wow独特のリズム感によってより先鋭的かつどこか前衛的にも聞こえるのも面白い今作は、フリーダウンロードEPとして発表された記念すべき初音源作品(!)であり、地元カナダの音楽賞の一つであるPolaris Music PrizeにDrake やFucked up、GrimesにThe Weeknd、Japandroids、大賞に選ばれたFeistと並びノミネートされ(フリーEPも対象範囲になる辺りは現代的だと思う)、かなりの好評を得たようだ。
 そのユニーク な音楽性やパフォーマンスの好評さと引き換えに、彼らはいくつかの困難に出くわしたようで、これからの決意と信念を持ち始めている。ここからは彼らのインタビューを掲載させていただく。原文英語のために頑張って和訳はしてみたが、どこか稚拙でくだけたモノになっているので原文も読んでくれたらいいと思うわー(笑)。これからの彼らのモードがどうなっていくのか、感じ取れる言葉である。(あとで原文のリンク先も紹介します!)

 「僕らは常に奴隷制度のレンズをとおして先住民をみているし、僕らは自分たち自身でそれに気づくことができないんだ。僕らはそのコントロールをしはじめるべきだよ、けど本当はとっくに始まってる。笑顔で写真に写るみたいなシンプルな出来事は、物事を変え始めようって感じ取ることもできるし、ステレオタイプに対する挑戦だよ。

去年のトロントだったかな、先住民でない子供らがいわゆる【先住民族の戦闘服】でパーティに来てさ、その夜は何にもなかったけど、その後のあくる日、フェイスブック上にその時の写真が挙げられて、みんながそれを見てすっごいバカにしていたんだ。

結局のところ、この一件が過ぎた後はいくつかの事をホントに自覚するようになったよ。彼等にも僕らにも誠実な行いじゃないし、僕ら本来の文化に敬意がない。それは実際不穏当なものなんだって、そういう奴らに僕らが説得しなきゃならないんだって。

彼らは僕らを笑わすためにあの衣装をしたわけじゃない。彼らは本当に理解していなかった。そいつぁ子供のように無邪気な立場の話でさ、それはそれで仕方ないさ。きみ(新聞記者であるインタビュアー本人?)はそういうことを人々に教えるべきだし、僕らは僕らの音楽を通してそれを伝えていきたいと思ってる」 



フリーEPなんでここにURLを置いておきます http://t.co/JuEbBQOp













 14位 David Byrne & St. Vincent - Love This Giant

 80'sNYニューウェーブを代表するTalking HeadsのリーダーのDavid Byne。彼はとあるコンピレーションアルバムでDirty Projectersとコラボするなど、活況するUSインディーの大波に目を向けていたわけだが、現代USインディーきっての知性派女性ソロミュージシャンのSt.Vincentとコラボをするという話を聞いたとき、正直言えばかなり驚きだった。
 しかしもっと驚いたのはこのアルバムのアートワーク!。VincentのトガッたアゴとDavidの2重アゴ、フォトショップかなにかで手を加えたであろうキッチュさ、そんな2.人が着ているがかなりフォーマルなスーツとドレス。キッチュとフォーマルが人を通して出会う、そんなファニーな関係性は今作で奏でられる音楽にも繋がっている。
 金管楽器の音色、ありがちなスムースさを嫌ったな曲構成、メリハリとした呼吸感あるバンドサウンドはSt.Vincentの持ち味でもあるが、アフリカ音楽との接近を図ったTalking HeadsのリーダーでもあるDavidが入ることで、よりカドが立って派手さが増したサウンドになっている。客演にアフロビート・バンドのAntibalasやファンクバンドのThe Dap-Kingsのメンバーがいるということもあり、ファンキーなリズムセクションにかっちりと合わせてくるブラス隊の音色がとてつもなく印象的だ。
 スムースに聴くことを許さない曲構成の中、ファンキーなリズムにノりながら、メリハリのある演奏を心がけるバンドとブラス隊。なんだこれ、まさにキッチュでフォーマル、今作のアートワークそのままだ。このアンビバレントさが今作からあふれ出る2人のセンスであり、まさにこれこそが00年代USインディーのテーゼであったろう?と言いたげでもある(これは僕の憶測だからね!)。キッチュでフォーマルな二人の眼差しは、真摯かつ本気だ。













 13位 Muse - The 2nd Law
 
 元々彼らMuseを知る人には、これまでのアルバムワークを思い出してほしい。
 1stアルバムの『Showbiz 』で太陽系を出してきたのを皮切りに、3rdアルバム『Absolution』では空飛ぶ人間達を見上げ、『Black Holes & Revelations』では火星のような星でハゲた宇宙人みたいなやつらの食事シーン、ライブアルバムになった『HAARP』ではパラボラ・アンテナ、『The Resistance』はミラーボールにも見えそうな星。いわば彼らは「宇宙」を目指しているロック・バンドだと言えよう。
 だがその貪欲なる向上意識とは裏腹に、これまでの彼らとは異なるものを感じざるを得ない。というのも今作「The 2nd Law」のアルバムワーク、「宇宙」っぽさがどこか抜け落ちているようにも見えるからだ。
 今作制作時に金融危機やエネルギー問題などのニュースをチェックしたというギター/ボーカルのマシューは、そこに<現代社会の成長/増大という名の強迫観念>を垣間見たという。今作「The 2nd Law」のタイトルは「熱力学第二法則」、温かいものの熱量は冷たいものの熱量へと移動し、その逆の移動はそれ自体では不可能であるという意味合いが込められた言葉であり、マシューもそういったニュースなどを見るうちに知った言葉だという。
 これは完全に私見だが、人が宇宙を目指すというテーゼには人間の進化/進歩が横たわっているのは周知であろうが、ヨーロッパの金融危機やエネルギー問題も含め、成長パラノイアとも言うべき強迫観念が現代にはあるのではなかろうか。それはMuseが今まで思い描いてきた「宇宙の旅」にも、そしてそこに纏わりつく不安も、混在した形としてあるように僕は思う。
 彼らの音やパフォーマンスはどこまでも雄大かつ壮大に膨らみ続けたのも、コンクリートで壁を塗り固められたかのようにサウンド・プロダションは強固になっていったのも、マシューの言葉も同時代の他のバンドよりもいささか「ヒステリック」なモノになっていったのも、すべては成長パラノイアがその裏にあると思えるのだ。
 そのうえで、Museの最新作である「The 2nd Law」を聴いてみる。ここまで多くの音楽を咀嚼しながら、ロック・ミュージックのフォーマットとして爆音で鳴らしてるアルバムを、僕は久しぶりに聴いた。前作『The Resistance』でもオペラを導入したのはかなり新しく(同時に温故知新でも)あったが、まさかダブステップにファンクをそのまんま3人の音の中に詰め込んでくるとは。同時に、これまで塗り固められたような「固まり」をリスナーに投じてきた彼らが、ここまで風通しよく、一つ一つの音が離れつつしっかり聴こえるプロダクションを経たことにも驚くし、また合点も行く。「Supermacy」「Madness」「Survive」など今作でMUSEが込めたのは、第二法則に真っ向からぶつかっていくというメッセージ、そして変革への狼煙であろう。MUSEという巨大で大仰なヴァイヴに秘められたメタファーが、大きく明るみに出た1作でもある。








 12位 Grimes - Visions

 カナダ、バンクーバー出身の若き女性Claire BoucherによるソロユニットのGrimesは、2010年から活動を開始した。2011年にはコラボ作を含めて3作品を送り出し、今年2012年の初め、00年代USインディーを引っ張り続けるレーベル『4AD』にスカウトされ、4作目となる作品『Visions』を送り出した。
 驚異的なペースでリリースを続ける彼女のレコーディングは、主に自室。詳しくは彼女が表紙となったサウンド&レコーディング・マガジン2012年8月号に詳しく載っている。キュートかつ独特なウィスパー気味の声質のボーカル/コーラスは50~60の重ね録りで生み出され、不穏さを渦巻きながらもどこかチープなエレクトロ・サウンドはDTMマシンのプリセットによるものが多い、などなど彼女の裏話が書いてある。
 だが今作でもって何より驚くべきは、こういった「パーツを組み合わせる」という選民的ではないはずのシンプルな工程を経ることでも、音楽センスの高さや違いというものが確かに在るという事実が、僕らの耳に残るあのサウンドに隠されていること、同時にそれがもっとも今作を面白くさせているのだということ。それは例えば、Museのような巨大なテーマ性を乗せることも、Animal CollctiveやDirty Projectersのようなポップ・ミュージックとアート的実験の場としても、Washed OutやJames Blakeのように緩く漂うことも、そのどれをも選べる力があるということを、彼女は今作で示しているということなのだ。






 11位 Squarepusher - Ufabulum
 ブログ参照 →→ Squarepusher Ufabulum 「プラスチックの行方」
 硬質なビートとビームのようなシンセサウンド、そしてドデカすぎるサウンドスケ-プ、IDMが産んだ未来を先取りし過ぎている一作。
 










ではではまた今度
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My Best ALBUM 2012(洋楽編) 20位~16位レビュー
2013-05-04 Sat 13:00
My Best ALBUM 2012(洋楽編) 25位~21位レビュー

↑↑これの続きどすえー



20位 The Chieftains 『Voice Of Ages』

 今年のグラミー賞、最優秀アルバムに選ばれたのはイギリス出身のMunford & Sunsの『Babel』、カントリー色の強いロックバンドの受賞し、数年前には同じようにArcade Fireも同賞を受賞、日本では大きく取り上げられてることはほとんどないが、いよいよもってカントリーの波がロック界にも大きな影響を及ぼし始めているのが分かる(まぁグラミー賞はアメリカでのものだから当たり前なのだが)。
 アメリカの伝統音楽カントリーは、元はアイルランドのケルト音楽やスコットランド音楽が源流だが、1962年に結成され、去年をもって結成50年の大台に乗っかった The Chieftainsは、地元アイルランドのケルト音楽を現代空間に繋ぎ続けた大所帯バンド、今作はそのメモリアル記念アルバムだ。
 内容はコラボレーションだ、有名どころでいえばBon IverにThe DecemberistsにCivil Warsと前年度グラミー賞でノミネートしてきたカントリー寄りのミュージシャン/バンドに加え、スコットランドの若手Paulo Nutiniに天才マンドリン奏者クリス・シーリー率いるPunch Brothersと若手をかなり揃えてきている。
 若手を多数起用しながらも、彼らの音楽性に大きなブレが生じることはは些かもない。ケルト音楽の独特なツーステップのリズムとバグパイプとバイオリンの音色に、うら若きミュージシャン達がそれぞれの力を出すことで生まれる新しい風景。そのためにも彼らは不変であり続けるし、50年を過ぎたこれからもそうなのだろうと思える一枚だ。















19位 Trophy Wife - Bruxium

 オックスフォードという小さな街で立ち上がったBlessing Forceという名のパーティ/コミュニティは、中心人物のChad Valleyが徐々に知名度が上がっていくにつれて大きな注目を集めてきている。
 Trophy WifeはChad ValleyことHugo Manuel率いるバンドJonquilの元メンバー、Jody Prewett、Ben Rimmer、Kit Monteithから成る3人組バンドで、Blessing Forceが立ち上げたレーベルから登場した。Chad Valleyは緩いチルウェイブだが、彼らはよりテンポが速い、いわばエレポップ風味の強いチルウェイブ系のバンドだ。
 しかしその実、そのサウンド・スケープに何かしらの2番煎じのような印象はまるでない。ボーカル・ギター・シンセ・ドラムトラック・打ち込みの5つの音には程よいエコー処理をかけられ、音の定位とミキシングは彼ら独特「緩んだ空間」をそのまま封じ込めている。チルウェイブにしてはとろけ過ぎず、エレポップとしてはキッチリしすぎない、絶妙に「緩んだ空間」が今作にはある。今作は2011年に発売されたデビューEPに、5曲のボーナストラックを加えた日本独自企画盤。今後生まれるであろうフルアルバムがとても期待できるバンドだ。













18位 Friends 『Manifest!』

 BBCは年明けにSound of 20xxと称し、その年の有力新人ミュージシャンの発掘のようなコーナーを設けている。ちなみに今年2013年も発表されたので、これでもう13年目を迎えた。Friendsは去年Sound of 2012のコーナーで紹介され、僕はそこで彼らを知ったわけだ。
 Weird popと彼らは自身の音楽を規定している。この「Weird(=気持ち悪さ)」というのは、00年代USインディーを振り返る上でかなり重要な視点だと僕は思っている(これはすっごく長くなるので、またいつか今度どこかで書きたい)。気持ち悪くてポップ、意味合いはんちんかんになりそうだが、つまりその通りの音が今作には鳴っているから面白い。
 80'sのR&Bのようなグルーヴィーなベースとドラムの絡み合いと、どこかトロピカルな音色のキーボードやコンガやギター、そして不穏なメロディに細いフィメール・ボーカルはよりそう。極彩色に真っ黒に、キッチュにスマートに、その表情を変えていく楽曲の数々に幾重もの罠を見ることができるし、デビュー仕立ての新人とは思えないクオリティを僕は感じる。
 とはいうものの、実は2012年のツアー最中に5人のメンバーのうち3人ほどが脱退してしまっているという。そりゃそうだ、こんだけ色々な罠をぶちこんでおいて、メンバー当人が引っかからないというのは無理な話だ。その音楽情報量、裏背景に潜んだメッセージ、それらは「キッチュでスマートなニヒルさ」であろう。きっとこれが最初で最後の作品になってしまうだろう。













 17位 Breakbot 『By Your Side』

 DAFT PUNKやJusticeを輩出したレーベル、Ed Bangerが満を持して送り出すBreakbot 。デビューから5年、ようやくその音がCDに!。という所までが彼のバイオグラフィとして書かなくてはいけないところだろう。だがダフトにジャスティスと言われて聴いたこの音に、本物のクラバーではない人たち。。。例えばサマーソニックで両者を見てきたような人間からすれば、バッキバキなエレクトロサウンドとは似ても似つかぬ彼の音に肩すかしを食らうだろう。(ってこれ書いてたらソニックマニアで出てくるじゃねぇか!!しかもJusticeと一緒に!)
 ディスコとして映えそうなメロウさとグルーヴ感、フレンチポップ譲りのようなフワっとしたシンセ・サウンド。この組み合わせは、クラブで映えるディスコとしてもヘッドフォンで聞くドリームポップとしても、どちらも射程に収めてしまうほどの絶妙な距離感とバランスを両立している一作だ。(誤解を恐れずに言えば80年代のデュランデュランからよりこじんまりとさせたような・・・)
 Daft Punkでいえば「one more time」、justiceでいえば「D.A.N.C.E.」といった誰でも分かって踊れるキラーチューンは、今作には見当たらない。だがそんな強振された一撃は、ディスコとしての煌びやかさとドリームポップとしてのドリーミーさが生み出すレトロでオシャレな今作の雰囲気を壊していただろう。

(それでいて今年発売されるDaft Punkの新作からの一曲「Get Lucky」がまさにデュランデュランと組んでヒットを飛ばした経験のあるナイル・ロジャース、そんでreakbotを逆流入させつつアップデートしたサウンドで、おいおいとか思ってしまったのは僕だけ??ロックンロールリバイバル~ポストパンクリバイバル~チルウェイヴの80's化からこの流れがきてる感じもするし、10年経ってもリバイバル終わらねぇのはyoutube世代がどんどん音を世界に出してるからだろうなとか思いつつ、締めます)
















で、とりあえずダフトパンクの新曲置いておきますね!!







 16位 Rusko 『Songs』

 BPM120~140前後で、キックとスネアのビートはその半分のテンポを刻みながら、ハットシンバルは基本的に8分か16分で刻みつつ、時折3連符や2拍3連符をフレージングする。ワブル・ベースという大きく揺らぐベースラインがとても特徴的で、BPMの急激な減速を組み合わせたベースドロップと言われる フレーズを組みこむことも、このジャンル「ダブステップ」の特質すべき点だろう。
 イギリス出身のダブステップDJであるRuskoは、この「時代の音」をしっかりと掴んでいるDJだ。07年に同じDJのCaspaと組んで2007年に参加した人気コンピシリーズ「Fabriclive」において、すでに彼はダブステップを取り入れ、ダブの向こう側にあるレゲエとの接続をも試みてもいるし、その後3年に積み重ねた経験を生かした前作「O.M.G.!」では、カットアップ主体のスタイルで音の小気味よさと太いベースラインがが絡み合うサウンドを見せつけてくれる。
 BurialやKode9が未だに持ち続ける「アンダーグラウンド」の美学と一線を画し、同じイギリス出身DJのSkreamやBengaといったダブステップの本流とも外れ、大西洋を越えてアメリカに移住し独自の道を進んだのも、彼のちょっとマッドな研究熱心さのせいなのかもしれない。
 今作は『Songs』のタイトル通り、女性/男性ボーカルを主体に置いたのがキモで、またしても研究熱心ぶりを発揮しているだけだが、近年大流行しているEDMに乗っかった「Somebody to love」「Opium」を筆頭に、ハウス調の「Pressure」「Mek More Green」、ダンスホール・レゲエ独特の緩い空気を滾らせたがある「Skanker」「Love No More」などがズラっと並び、踊らせると同時に歌わせてみよう、そして「GET YOUR HIGH!!!!(もりあがれよ!!!!!!)」なんていう彼の声も聞こえてきそうだ。
 Ruskoにとっては、フェイスブックで彼自身が更新しているようにSkrillexやSteve AokiやZeddといった面々とつるみながら、ワイワイとハイテンションにパーティをブチ上げたがるのが意外と心地よいのかもしれない。これもまたダブステップの進化の記憶として留めておきたい1枚だ。
















ではでは、またの機会に
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My Best ALBUM 2012(洋楽編) 25位~21位レビュー
2013-05-03 Fri 23:00
2012年の年末に、ツイッター上の流れから作成した@grassrainbowのMy Best ALBUM 2012(洋楽編)
にレビューをちょこちょこ25本分×2、長短あれど書いてみたよというもの。
ちなみに書いたのは2013年の3月ごろです、どうぞーー。



25位 Animal Collective - Centipede Hz

 アメリカはブルックリン界隈を代表する、いやUSインディーを代表するインディー・バンドの9枚目のアルバム。
 おそらく、というか僕の耳だけの話だが、彼らの作品の中でも最も聴きやすいポップな作品ではないかと思うが、それは彼らの特徴であるところの、『実験性』が薄れてているからではない。むしろ、AメロBメロサビというような定型のポップスの形を保ちながら、その中に詰め込んだ音のアイディアの数々に実験性があり、どんどんと耳が惹かれていく。ムーグ・シンセサイザーのような愉快な音がとても印象的に、今作を色づけている。
 僕は今作を聴き、「Revolver」や「Magical Mystery Tour」、ファンタジアとサイケデリアの花が咲き誇っていたころのThe Beatlesを思い出した。もちろんアニコレ本人たちはまったくそんなこと考えてもいないだろう。それはここに咲き誇るファンタジアは、決して時代の脇道に咲いている徒花ではなく、The BeatlesのようにAnimal Collectiveも音楽を楽しんでいるということの証ではないだろうか。














24位 Kendrick Lamar - good kid, m.A.A.d city

 ヒップホップとは物語を読むようなものだ。
 いきなりだが、今作におけるヒップホップの意味合いを読み解けば、そう断言しても良いと僕は感じている。なぜなら今作で綴られる『心優しき男が友や街の闇のなかに埋もれていき、神に出会うことで心を入れ替える』という物語が、ケンドリック・ラマーのの半生録にスライドした内容になっているからだ。
1曲目「Sherane (a.k.a Master Splinter Daughter)」の序盤はテープの再生音から始まり、最終曲(であろう)「Real」の最後はテープの巻き戻しで終わる。
この『区切られた物語』として表出させる強調は、自らの半生を口に出す今作の行為の中に、リスナーへ届けたいメッセージを同時に封入しているというにも繋がる。一人の人間が捉えてきた苦悩の共有、それをここまで『物語』として転換した作品というのも、USヒップホップでもそう多くはないのかも(いやヒップホップよく分からんのだけども!!笑)。
 心優しき男が友や街の闇のなかに埋もれていき、神に出会うことで心を入れ替えるという物語は、いささか宗教の匂いが強いのは確かだ。だが、再生し、巻き戻し、再生し、巻き戻し、繰り返される物語は、ケンドリックの半生録であると同時に反省録であり、リスナーが様々な事に気づく手助けになればと願う彼の心が描かれた1作だ。
 









アルバムレビュー単体ならこちらのほうがスッゲェ詳しく載ってます
↓↓
[Special] Kendrick Lamar 「good kid, m.A.A.d city」解説



ラマーの独特のライムを研究したっていうサイトがこちら、クソ面白かった
↓↓
ケンドリック・ラマーのラップを音楽的に分析! 




23位 Traxman - Da Mind Of Traxman


 シカゴで生まれたハウスがそろそろ30年に手が届きそうだというこのタイミングで、BPM120のレールを無視した超高速リズム・パターンで埋め尽くされた今作、「ゲットー・ダンスミュ-ジック」といえよう『ジューク』というジャンルがお目見えした。
 元々は現場主義にこだわっていたトラックスマンの、地元シカゴでのダンスバトル(フットワーク)のDJプレイ用に作ったいわば秘蔵トラック、それを厳選しまとめたものが今作だ。だから今作の曲はあまりにも多岐にわたったトラック集とも言える。ディスコにジャズにハウスにヒップホップにR&B、ジャンルを横断し、ぶっといベースやメロウに響くサックスやソウルフルなボーカルを突起のようにとびだたせたり、大雑把なカットアップと微細に刻まれるリズムパターンを生成したり・・・まさに黒人音楽の「ごった煮」音楽として再生成されている。
 これで踊れと言われても、正直俺には首を振ってリズムを取るくらいしかできない!(笑)。腰から先、足を動かして本場さながらのフットワークなんてのは夢もまた夢。だが、ディスコ以降のブラックミュージックの熱、現場主義を貫く男の熱、その2つの激しきぶつかり合いに心踊る一作となっている。心だけじゃなく体でも踊りたい!(笑)






 


22位 Flying Lotus - Until the Quiet Comes See

「静寂が来たるまでに」と訳されよう今作、その収録曲もまた、傑作であった前作「Cosmogramma」のアグレッシブさとは違い、どこかパッシブなムードが立ち込めている。
 Prefuse73に代表されるようなIDMの不穏なサウンドスケープに似通ってはいるものの、ウワモノとして鳴るはずの音は。強い主張はあるが数は少なく、代わりに低く蠢くようにグイグイとベース・サウンドが僕らを引っ張り、音圧の軽い奇妙なリズムでトラックは進む。
 なにより今作が特徴かつ重要であるのは、各曲ごとの短さであり、それも「1曲ごとにぶつ切りになった」形ではなく、曲間がほぼない状態、それこそクラブ・ミュージックのミックス音源のように流れ聴くことができることだ。それは過去作との合致点ではあるのだが、前作から生まれたパッシブなプレッシャーが、この方法でより色濃く伝播されているように思えた。「ごった煮」のフィジカル感半端ないトラックスマンに比べれば、より心象風景を描くアート性の強い作品、僕は幽玄ともいえようこの雰囲気が好みだ。







ちなみにライブだとこんな感じになります!!








21位 Hudson - Crimson

 「見捨てられた人々の反乱と正義のための戦いの物語、ジャンルはフォークロックのコンセプトアルバム、ワシントン州の田舎で1週間ほどで録音」というHudsonの2枚目のアルバム(今作も前作もフリーEPだ)。フォークとは言いながらもカントリーやブルーグラスの要素もかなり入ってはいるので、カントリーの聴き心地とロックらしいの大味っぷりはThe DecemberistsMunford & Sonsに繋がる点だろう。
 Hudsonが彼らのようなバンドと違うのは、今作のストーリーは現実との安易なリンクを伴っておらず、ファンタジーな寓話のお話を展開し、単純な「勇気」の物語としてリスナーに提示していることか。これはアメリカの保守的姿勢を通底にもつカントリー・ミュージックならではであり、寓話に透かして本質を得ようというのは昔からある方法だが、ゆっくりとしたBPMとメロディとともにゆっくりと発音される言葉を咀嚼すれば、この古典的ながらもダイレクトに届くメッセージの強さに気付けるはずだ。




こいつはフリーEPなんでリンク先貼っておきます!
Crimson by Hudson http://t.co/nh3xp2vm












ではでは、今度は違うものを出してみますね!
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