スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
washed out 『Within & Without』 「アイマイズム宣言」
2011-08-27 Sat 08:07
おはよう、こんにちは、こんばんは。


今回はこのアルバムです。



ウィズイン・アンド・ウィズアウトウィズイン・アンド・ウィズアウト
(2011/07/06)
ウォッシュト・アウト

商品詳細を見る





ではどうぞ!















 washed outのデビューは2009年のこと。不況の影響で定職に就く事が出来なかったErnest Greeneが、自宅のラップトップPCで音楽を作り始めたことに始まる。友人であるChazwick BundickがToto Y Moi名義でデビューすることが決まり、あるジャーナリストがToro Y Moiの情報を元に色々と検索をしているなか、MyspaceでGreeneの音楽を発見したことが発端になった。彼や先にあげたToro Y MoiやMemory tapesらは同時期にデビューし、総じて近しいサウンド意匠だったことから、「チルウェイヴ」ないしは「グローファイ」と言われるネット上で生み出された新たな冠が彼らに授けられることになる。特にwashed outの『Life of leisure』は最高の名作と謳われ、インターネット上での好評価と有名雑誌での賛美も重なり、「washed outがこのジャンルを作った」という評価にまで行き着くことになった。

一躍スポットライトを浴びることになったwashed out。彼の1stフルアルバムがこの『Within without』である。老舗インディーズレーベル『Sub Pop』から発売される今作は、日本のUSインディーファンのみならず世界中のインディー好きからの期待感もかなり高かった。このアルバムの出来で、ここ数年来のブームの高まりに冷や水をさしかねない、それほどの熱い期待がこのアルバムにはあった。

 80'sシンセ・ポップやアンビエント・ミュージックを参照した心地よいシンセの音色とヴォーカルの声、緩やかに昇華していくメロディ、それらを何の弊害もなく同居させるリヴァーブの効いたサウンドはシューゲイザーの影響がやはり色濃い。夢見心地な煌きやまどろみが空間に広がるこのサウンドの中で、4つ打ちドラムの軽い音色は聴く者をある種の<逃避>へと歩ませていく。

 そんな前作の良さは今作にも引き継がれているが、前作を知る人達はシンセサイザーのアタック感が少なくなってよりシューゲイザーっぽさが強くなったということを意識するだろう。自宅中心で生み出された前作のローファイさは消え、スタジオで作られたことが起因しているのだろう。それがゆえに、このアルバムはどこか半端な立ち位置に据えられている気がしてならないのだ。

 この作品で(あるいはこのレビューで)washed outを知る人も多数いるだろうし、同時にピンと来る人もいるだろう。チルウェイヴ/グローファイというジャンルは、「ポップ音楽史上初めて、ネット上がムーブメントの地になった音楽ジャンル」だ。同時にこの触れ込みが如実に示すのは、「無数の答えを見出せる世界で個人のフィルターを通し生み出された最適解の一つ」ということ。辛辣めに言えば、80'sシンセ・ポップとしてはシンセサイザーの音色はぼやけすぎている上に、アンビエントにしてはハード過ぎるドラムの4つ打ちっぷりとエコーの多用、シューゲイザーにしては音の重なりはかなり薄い。だがそれらが首尾よく「ポップス」という形に丸め込まれ、最適解としてこのアルバムに纏められている。まるで2ちゃんねるスレッドのまとめサイトのような行儀よさと簡易さがくっつき合い、「何となくこうなのだ」という雰囲気自体が答えになってしまっている。

 Washed outへの返答として『チルウェイヴ/グローファイ』はあったわけだが、そんな発芽したばかりのジャンルの命運を背負わされたこの作品は、生まれながらにして内包していた「何となくの答え」を更新してはいない。それどころか、ネット上での濃密な関係性のなかで生きるのか、逆により多くの人間に聞かれる存在へと羽ばたくのか、その不明瞭さが露呈してしまった。それすらも「何となくこうなのだ」で済まそうとしているようにも思える。

 どこか夢見心地である感覚を確かに魅せてくれつつも、どこか地に着いていない彼自身とこのアルバムが見え隠れする、「ネット上がムーブメントの地になった音楽」をこれほど饒舌に代弁したアルバムはない。

















長い文を読んでもらってありがとうです
面白かったり、良かったなとか思ってもらえたら、拍手ボタンをよろしくです!

ではでは、また別の機会で読んでもらえたら嬉しいです!

スポンサーサイト
別窓 | 洋楽 | コメント:1 | トラックバック:0 |
<<fleet foxes 『helplessness blues』 「不穏さと無力感と希望と」 | various music written | SUMMER SONIC 2011 8/13 TOKYO 私感 雑感 超雑感 ver1.25>>
この記事のコメント
No title
虹くんのこの文章全てを理解できているわけでは無いんだけど、なんとなくわかるなーって思った。なんかその辺が、僕が結局このアルバムの購入を見送った理由なのかもと思いました。

エレ・ポップとして聴くには脱ダンスミュージックな感じだし、アンビエント的に聴くにはエレ・ポップ感がそれを邪魔しているような感じで、そしてシューゲイザーの影響下にはあるもののシューゲイザーではない……みたいなことは僕も思ってて。それで、もう「チルウェイヴの王道」みたいな位置づけされていて。確かにそうなんだろうけど、たぶんこのチルウェイヴ/グローファイって去年くらいからのムーブメントだよね?今年で既に完成形が登場しちゃってるっていうのが、シーンとしてはこの先不安かなあと。

2011-08-28 Sun 01:04 | URL | たびけん #0hxr4hYM[ 内容変更]
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| various music written |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。