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Fleet Foxes Live in Japan at 新木場スタジオコースト 1/20 「したたかさとたくましさと」
2012-02-10 Fri 22:36
おはよう、こんにちは、こんばんは。



行ってきたのはライブです!。



Fleet Foxes Live in Japan at 新木場ウェストコースト




Helplessness BluesHelplessness Blues
(2011/05/03)
Fleet Foxes

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ではどうぞ






この日、ライブ前日の夜からたなびいていた白い雲は厚みを増し、みぞれと小雪を交互に降らせ、首都圏の電車で遅延が出るほどの影響を生んだ。会場となる千葉沿岸に位置する新木場ウェストコースト周辺は、海風の強さもあってかダウンコートを貫くような寒さがピンと張っていた。彼らの世界ツアーの最後を飾るのが母国のアメリカやカナダでなく、ここ日本、しかもこの日は全日程で最終公演とあってか観客のテンションも一段高く・・・という雰囲気は、開場直後の時間帯では感じ取れない。小雪混じりの天候は電車運行に後れをもたらし、悪天候だからと来場するお客さんたちは開演10分前に来ればいい・・・なんてことが重なったせいだろう。それでも開演15分前になれば、公式上2400人を収容できるフロアはパンパンになり、アフリカはマリ共和国のブルース・バンド「ティナリウェン」をBGMに、開演の時へと3本の針が進んでいく。


 19時開演を約5分遅れ、SEもなく登場してきた彼らに大きな声援が飛ぶ。この日のお客さんにはもちろん外国人(おそらくアメリカ人が中心だろう)も10人数名くらいいたが、いやはや彼らの声が大きい!。だがそれらを華麗にかわし、彼らは1曲目を奏で始めた。彼らとは言うでもなく、Nirvanaなどを生み出したシアトル、その郊外にて2006年に結成し、2008年にデビューした6人組のインディー・バンド、fleet foxes。この日の主役だ。



setlist

The Plains / Bitter Dancer
Mykonos
Battery Kinzie
Bedouin Dress
Sim Sala Bim
Your Protector
White Winter Hymnal
Ragged Wood
Montezuma
He Doesn't Know Why
English House
The Shrine / An Argument
Blue Spotted Tail
Grown Ocean


Encore:

Katie Cruel (Karen Dalton cover) (Robin Pecknold solo)
Oliver James (Robin Pecknold solo)
Sun It Rises
Blue Ridge Mountains
Helplessness Blues






彼らは「インディー」という言葉に連想されがちな、野放図でやけっぱちなイメージとはずいぶんかけ離れた青年たちに見えた。バンドの首謀者/ボーカルのロビン・ペックノールドが25歳、この日のライブを最後に活動から離れるドラムのジョシュ・ティルマンが今年で30歳なのだが、どうみても全員30代中盤に見える風貌。年齢とは若干離れてしまったその髭面とファッションだけをみれば、どこか枯れた印象のある地方楽団みたいに思えた。


 そんなことを思っていると、早速「The Plains / Bitter Dancer」を1曲目に奏で始めた。コントラバスの音色が弱弱しくも鳴りだし、パッと爪弾かれるアコギの3本の弦とタムドラム、原曲からは4小節遅れて3人のコーラスが入り込み、徐々にクレシェンドしていく。そんな巨大なウネリは、聴く人の心を解きほぐし、解き明かし、重い扉を徐々に開いていくようだ。そこから一気にアコギのフィンガーピッキングのみになり、そこに3人の歌声が重なり合いながら、こう歌う。

ちょうど砂がすべてを円形にしたように、ちょうど地上からタールが染み出てきたように、ほろ苦き踊り子、まだ回っている 君が街に来た日はそんな日だった。君には住んでいた部屋があった、君のしわがれた肌からチョークが流れ落ちたんだ、光り輝く眠り人(大木)、血塗られた収穫者(刈り取り機)、君にはまだ住んでいた部屋があった。

 読めば、この歌詞は何かしらのイメージを想起させてはくれるが、歌詞にしんみりするとまではいかない。この日の僕は階段を上がった上のフロアに位置し、下のフロア全体を見渡せる場所にいたが、この時、体を動かしながら聞いていたのは外国のファンの方々、ほとんどの日本人ファンは呆然といった面持ちで立ち尽くしていたように見えた。それはボーカルのロビン・ペックノールドの歌声、独り立ちし成熟した大人の太さと背中に影を背負った憂い、それらを感じさせる素朴でしたたかさある歌声、それが僕たちの心を捉え、ただ立ち尽くすほかなくなるほど力があったからだ。












 2曲目・3曲目を終え、ここで楽器のチューニング&交換、初めて曲間と言えようタイムスポットが生まれる。拍手が鳴りやむと同時に、僕はすっと隣の人の表情を・・・ああやはり顔が強張ってる、真顔だ、喜怒哀楽どれにも入らず、言うならば驚きの顔をしている。静かな時が流れ、まるで観客側とバンド側の間に壁があるように感じ取ったのは僕以外にもいたはずだ。デビューアルバムが世界的に評価され、プレッシャーに苛まれながら生み出した2ndアルバム、そしてそれらを引っ提げて世界中を回るツアー、その最終公演にして初の東京公演、ほとんどの方々は初めての、そして彼らにとっても、紛れもない邂逅なのだ。それでいて思いっきり遠い距離感のあるファーストコンタクトになってしまったのは、聞き知っていたはずの歌声や演奏がライブになれば予想以上の熱気を伴っていることを体感し、どう受け取ろうか?とほとんどの観客が思案しているからだろうと勘付く。
唐突に英語の大声が飛ぶ、おそらくアメリカ人ファンの声だ、まばらな声だが確かに彼らと接続を試みる、だが無視される。そして彼らがこう叫んだ。

Welcome to Japan!

それにロビンはこう返事した。

Thank you American guys

 これにはほとんどのお客さんも大笑い、思案の顔が笑顔に変わる。「あ、この人、意外と面白い人だ」。まるで神聖なもののように思えた歌声の主は、実は(当たり前だが)僕らのような普通の人なのだ、そんな安心感が会場の共通認識になった瞬間。そこからは幾分か観客とバンドの距離も近くなったように感じ取れた。自然と肩や首を動かし、ハンドクラップの要求にもすぐに応えてハンドクラップが起こるようになる。



 中盤以降のライブも本当に素晴らしい演奏を見せてくれたと思う。一音一音へのこだわり、一曲一曲の緊張感の高さもさることながら、大きなうねりを生みつつも小さなうねりも同時に生む大胆さと繊細さが強く結びついた演奏には、チェンバーポップやバロックポップに比喩される西洋音楽からの影響やインディーロックのメッカであるシアトル出身らしいダイナミックさが随所に感じられ、目が見張るものがあった。だがその中でも、時には声を荒げて声高に、時には聞きとれないほどに弱弱しく、力強くも繊細に、様々なタッチで歌うロビンの素朴な声の存在感はかなり大きい。白眉は「The Shrine / An Argument」だ。前半の安穏にも思える演奏から、徐々に狂気のような音像へと変化ししていったこの曲、演奏陣の息が詰まりそうな緊張感がしなやかなに思えたのは、やはり歌声のおかげだったのだろう。










 彼らはシアトル郊外にて結成されたバンドであることは書いたが、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコといった経済/文化的中心地から離れた場所をDNAに持つ彼らには、アメリカを俯瞰した「アウトサイド」な視点が芽生えているように思える。そんな彼らがカントリーを志すようになったのは、スターゲイズしたカントリー・ミュージシャンの国粋主義や愛国心を胸に秘めたイデオロギーへのシンパシーや、ロックとは違ったマンドリンやフルートやサックスを使っての「カントリー的な音像」に惹かれた、ということではないだろう。日々の生活の中で力強く生きる人々を歌うこと、そんなカントリー・ミュージック本来あり方に惚れ込んだからだ。「ギター1本で歌っても成立するような曲を作りたかった」と2ndアルバムについて語ったのは他ならぬロビン・ペックノールド本人であり、観客がみな彼の圧倒的な掌握力に心を奪われてしまったのは、ロビンに『生きるという逞しさ』という剥き出しの魂を感じ取ったからだ。


 アンコールは5曲、最後の曲は「Helplessness Blues」で締める。

もしもたった一つだけ知っていることがあるなら、それは僕が見たすべてのことだ、外側の世界はとても想像もできないような出来事、度々僕はほとんど話せなくなるんだ、僕は口ごもって目が回って自分で自分を保てなくなる、どうしようもないなんてブルースを歌っても何が良くなるっていうんだ、なぜ誰かを待つべきなんだ?。

そして僕は知っている、君が僕を棚で待ってることを、僕はいつの日かすぐに君のもとへ帰るよ

 この歌は彼らの逞しさをもっともよくあらわした曲だろう。ロビンの歌声にかかれば、この悲しきブルースは明日のために生きていく逞しい人達の心を力強く奮わせる歌へと変わる。演奏陣も最後のほうになればグチャグチャな演奏に変り果てる。プレッシャーの連続であったろう世界ツアーの最終日、突然のドラマーの脱退と現編成のラストライブ、最後まで拘る「逞しさ」の体現、その姿はどこまでも崇高で、野暮ったい普通の人に見える。すべてがあそこに詰まっていたように思えた。








 ライブ終了後、最終曲でジョシュが演奏中にライドシンバルを叩き割ってしまい、お役御免のようにシンバルが観客に渡される、そんな中々見れない光景があった。終演直後のBGMはVelvet Underground、外はまだ小雪が波風に強く吹かれていた。ここは彼らの故郷のシアトルなのだろうか、まるで彼らのために自然が晴れ舞台を作り上げたかのようにも思いつつ、新木場駅へと歩く足取りは徐々に速くなる。寒さから逃げるためでも、閉じた空間で得た熱気を保つためでもない。あの逞しい姿と歌声とコーラスが頭が脳裏にくっ付いたまま離れない、まるで呪詛かなにかのようにこう言ってくるようだ、「お前はなぜ待っているんだ?」と、それは同じように周りを歩く皆も同じだったようだ。しかし、皆も僕も、どこか笑顔のまま駅へと向かう。『生きる』。その明快かつ脚注もないたった一つのメッセージが心を震わせていた。





長い文を読んでもらってありがとうです
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ではでは、また別の機会で読んでもらえたら嬉しいです!



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この記事のコメント
失礼ですが会場名はスタジオ コーストですよ
2012-02-11 Sat 23:51 | URL | #-[ 内容変更]
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2012-03-21 Wed 06:27 まとめwoネタ速suru
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